Hyundaiは「人類のための進歩(Progress for Humanity)」というビジョンのもと、安全で自由かつ平等な未来を描いています。Hyundaiは今回のCES 2024で、水素エネルギー産業とソフトウェアが発展し続けた先に人類の生活がどう変わるのかを描きます。
皆さんが想像する未来はどのような姿ですか?
Hyundaiは、複雑で汚染された都市から解放され、クリーンで快適さに満ちあふれた心地よい日常をイメージしています。
未来には、新しい水素エネルギーソリューションでどこからでもエネルギーを生産することができます。毎日排出される廃棄物がクリーンな水素エネルギーとなり、誰もが公平に使用できる、そのような汚染から解放されたクリーンな生活の場を想像してみてください。
また、ユーザーの利便性と安全を最大限に保つよう設計されたソフトウェアは、モビリティと都市を一つにします。ソフトウェアでつながったモビリティと都市は、誰もが自由に移動でき、先回りして私たちの安全を危険から守ります。
Hyundaiは水素エネルギーとソフトウェアソリューションで、このような未来を現実のものにしています。
Hyundaiにとって、水素エネルギーは新しい概念ではありません。私たちは、水素が未来エネルギーの解決策になると信じて1998年から開発を開始し、これまで26年間専門性を高めてきました。
Hyundaiは2013年に世界で初めて水素電気自動車の商用化に成功しました。2018年には NEXO(ネッソ)を発売し、水素車販売において世界トップとなりました。
そして2020年には大型水素トラック「XCIENT」を発表し、Hyundaiの水素モビリティの品質を再び証明しました。2020年から今まで、HyundaiのXCIENT水素トラックがスイスで走った累積距離は870万キロメートルを超えます。
Hyundaiの未来に向けた準備は水素モビリティの開発とともに始まり、今や全社を挙げて取り組んでいます。私たちの次の目標は、水素バリューチェーン全体を網羅する総合的な水素ソリューションを提供することです。
水素社会への転換を加速させるためには、水素の使用規模を拡大させる必要があります。それに向けてHyundaiは2035年までに水素の消費量を年間300万トン以上に引き上げ、これを基盤に大きな変化を導きます。
化石燃料から水素エネルギーへとパラダイムを切り替えるためには、すべてのユーザーのニーズを満たす全般的なソリューションが必要です。
Hyundaiは、水素の生産から貯蔵・輸送、そして活用まで、水素バリューチェーンをグループ会社の力量で作り上げ、各段階の関連会社のスキルが集結する水素ソリューション「HTWO Grid」を発表しました。これで各技術が有機的に結合・連結し、多様な環境と物理的特性に最適化・カスタマイズされたソリューションを提供することが可能になります。
これに伴い、Hyundaiは既存の燃料電池ブランドであるHTWOをグループ会社の水素バリューチェーン事業ブランドに拡大しました。水素の生産から貯蔵、輸送、そして活用に至るまで、水素バリューチェーンのすべての段階においてHyundaiグループの全関係会社の能力を動員しているのが特徴です。各ソリューションの有機的な組み合わせを通じ、様々な環境に最適化・カスタマイズされたソリューションを提供することも可能になります。
最もよく知られているクリーンな水素生産方法は、水を電気分解して水素を得る水電解方式です。しかし、水資源は地域によって利用可能な量が大きく異なります。そのため私たちは生活廃棄物を水素に変える方法を模索し始めました。
Hyundaiグループが今回のCES 2024で紹介した廃棄物を活用するエネルギー生産技術は、下水、生ごみ、家畜の糞尿、廃プラスチックなど、世界的に悩みの種となっている廃棄物を水素に変える技術です。
廃棄物を活用してエネルギーを生産する技術は、大きく2つに分類できます。まず、waste-to-hydrogen技術は、有機廃棄物を微生物で分解してバイオガスを生産し、これを水素に変える技術です。現在、Hyundaiグループは韓国の忠州(チュンジュ)で行われているバイオガスによる水素生産・活用の実証事業に積極的に参加しています。2つ目はplastic-to-hydrogen技術で、廃プラスチックを液体に溶融させ、ガス化の工程を経て合成ガスを生産した後、これを精製して水素を生産する方式です。
どちらの技術も、クリーンな水素エネルギーを得ると同時に、私たちの周りの汚染問題を解決できるため、一石二鳥の効果が得られるのが特徴です。
Hyundaiは、車を超えて「ソフトウェアとして定義されるすべて」を意味するSDx(software-defined everything)への拡張も目指しています。
私たちの周りのすべての環境にソフトウェアとAIを適用し、より安全で便利なユーザー中心のモビリティエコシステムを構築したいと考えています。
最初に注目したのは、開発手法の転換です。自動車に「ソフトウェア定義」ベースのアプローチを適用すれば、すべての機能を標準化されたアーキテクチャとOSに基づいて設計することができます。
ソフトウェアは、車両のユーザーや安全関連機能、走行性能、アプリサービスをいち早く向上させることができます。さらには、車両のアイデンティティそのものを確立することも可能です。
私たちの目標は、ソフトウェアを中心に一つのモビリティエコシステムを構築することです。ソフトウェアと人工知能を通じて蓄積されたデータをモビリティ、物流、都市運営システムとつなぎ、ひいてはこの世界の動き方そのものを変えたいと考えています。
SDxに向かう旅の原動力は、Hyundaiグループが常に最優先の価値としてきたユーザーの利便性と安全性です。ソフトウェアも「Service-defined, Safety-designed」の哲学を基に、これらの価値をさらに強化し、発展させられるようになります。
SDxに対するHyundaiのビジョンは、SDV(software-defined vehicle)から始まります。これを実現させるため、ソフトウェア中心の車両開発アーキテクチャを考案し、車両開発の瞬発力と拡張性を高め、ユーザー中心の機能をより迅速に更新し、改善し続けることができます。
SDVの普及に伴い、データとプラットフォームの接続性が高まり、大規模な車両管理は、より簡単で効率的になります。Hyundaiは、リアルタイムのデータ分析を通じて車両に関するインサイトを提供するソフトウェアソリューションを、顧客企業にまで拡大させる予定です。
究極的に車両とフリートはAIによって定義されるでしょう。Hyundaiグループは、車両が「顧客によりよいサービスを提供すべく学習し続けるAI」に進化すると考えています。デバイスとソリューションの改善やアップデートの自動化を通じてモビリティ全体の効率とアクセシビリティが向上し、ユーザーにより多くの価値を提供します。
Hyundaiは、グループ会社の多様なソフトウェア技術とプラットフォームが結合され、それによりソフトウェアとAIを通じて都市の交通システム全体が連携され、自律的に運営される「Cloud Transportation」の基盤づくりを夢見ています。
これにより、消費者は必要に応じてあらゆるモビリティと物流ソリューションの提供が受けられ、車両から次世代空モビリティ(AAM)、ロボットからスマートファクトリーまで、Hyundaiグループのすべてのソフトウェア定義機器がシームレスに接続されます。
HyundaiはCES 2024で、水素、ソフトウェア、そしてロボティクスをベースに、私たちの日常を便利にする未来のモビリティコンセプトを発表しました。限界を超え「移動」し続けているHyundaiが、これから皆さんに披露する技術を紹介したいと思います。
ソフトウェアとAI技術の融合は、まったく新しいモビリティ体験を提供します。パーソナルモビリティコンセプトモデル「DICE」は、移動時間をより有効に過ごすことができる、パーソナライズされた体験を提供するのが特徴です。
AIと連携されたDICEは、いつでもどこでもあなたを認識し、あなたにぴったりのパーソナライズされたサービスを提供します。また、個人のデバイスとも接続し、カスタマイズされた環境を作ってくれます。DICEは前面と両サイドの計3面が透明なOLEDでできており、没入感あふれる体験を満喫することができます。既存車両の固定型インターフェースであるダッシュボードから進化したリングパッド・コントローラーは、AIとコミュニケーションし、DICEの環境を調整できるようにする対面型インターフェースです。DICEは個人の好みや移動環境を把握し、移動中も継続的にユーザーに最適化されたコンテンツを提供することができます。
ソフトウェア技術の発展により、モビリティの内部空間を多様に活用する機会が増えました。公共モビリティコンセプト「SPACE」は、InclusivityとCircularityをベースにしています。包摂的で社会的な価値観に基づき様々なニーズを網羅しており、誰もが自由に移動し、カスタマイズされた空間を体験できるようにします。
SPACE – Mobility:交通弱者を含め、誰もが制約なく移動できるようにする大人数向け公共モビリティシステムです。内部空間はAdaptive Seatと自動運転、AIをベースにしており、パーソナライズされた空間として再解釈することができます。地上高調整機能で車椅子の人も簡単に乗り降りできるSPACE-Mobilityは、ラストワンマイル・モビリティ搭乗者、ペット以外の様々な人のための完璧なソリューションです。
SPACE – Pavilion:古いSPACEモジュールは建築的な要素として生まれ変わります。パビリオンの形で再び組み立てられ、交通空白地域にも利便性を提供します。ソフトウェア環境とコミュニケーションをとるためのホログラムインターフェースも備えています。水素エネルギーを共有するための移動式バッテリースロットや各種充電モジュールが搭載されており、水素燃料電池システムの副産物である水を活用したスマートファームと、緑藻類を利用した空気清浄モジュールが使用できます。また、モビリティから来たシートモジュールは休憩スペースになります。SPACE- Pavilionは人と都市、ロボット、モビリティをつなぐ物理的なハブの役割を果たします。
Hyundaiは現在の物流体系の限界を超え、未来の物流システムも構想しました。このシステムでは、すべての段階において自由かつ有機的に動けるモビリティソリューションを提供します。CITY PODは、AIを活用して地上と地下の両方で規則的なデジタルツイン制御が可能です。カニ歩き(Crab Walk)、自動運転などの最先端技術を活用して効率を最大化したこのモデルは、都市内の物流移動も担当します。そして、物流だけでなく、公共交通機関、産業原料や廃棄物の輸送、水素エネルギーの輸送、自動再給油の支援などの役割を果たし、今後、日常や産業現場で様々な形で活用される見込みです。
多才な自律型ロボットStretchは、倉庫をより安全で効率的に運用できるようにします。Stretchは現時点でもすでに現場に導入されており、荷物を大量に積んだトレーラーや輸送コンテナから荷物を下ろす役割を果たしています。今後数年以内にStretchは多目的ケースハンドリングロボットとして生まれ変わり、将来的には倉庫が消灯した状態でも稼働するようになります。さらには、Stretchは倉庫以外の空間でも様々な操作を必要とする作業ができるようになるでしょう。危険で、反復的で、肉体的にきつい活動を人間に代わって行うStretchは、私たちの生活の質を向上させる優れたスマートなロボットです。
水素エネルギーとソフトウェアは、空気と同じく目には見えませんが、間違いなく私たちの周りに存在しています。Hyundaiは、水素とソフトウェアが持つ潜在力に、企業が持つ能力を加え、世の中にポジティブな変化を起こしています。
この新しい旅は、すべての人の生活をより快適にし、この世界をよりクリーンで安全なものにします。Hyundaiはモビリティ企業を超えた存在です。Hyundaiは私たちが生きている環境を変え、「人類のための進歩」を実現しています。インスタグラムやユーチューブでHyundai Mobility Japanをフォローし、未来を迎えるためのHyundaiの旅に一緒に参加してみてください。
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